Facade_1
片流れの屋根とエッジの効いた斜めの袖壁がモダンな平屋。
シャープな印象の外観に対し、吹付仕上げを施し硬質過ぎないやわらかい風合いとした。
前面道路は近所の方のお散歩コース。永く住んでいるからこそ近隣とのバランスを保ちたい。実家の離れを建て替える計画はご主人のそんな一言から始まった。この限られた土地のパフォーマンスを最大限に活かす建築家の回答は、高さの違う屋根を組合せることだった。屋根の高さに変化をつけることで、外界からの視線を外しつつ、室内に光を呼び込む、2つの問題をクリアさせる。限られた空間に機能性とゆとりを融合させる秀逸なデザイン戦略の住まいである。
建築家/髙井 和喜
(一級建築士事務所オブデザイン)
東西に長い敷地では南からの採光を望むのが一般的。だがそれをよしとしない施主であった。南側からの近隣、歩行者の視線を過度に気にするご主人の性格を理解しつつ、開放感と明るさを求める奥様どちらにも適応した家づくりが今回のミッションとなった。
南面には30㎝角の必要最低限の窓のみを設置するという思い切ったプランを提案。とはいえ、南からの採光取得はこの土地の最高の条件である。
髙天井に設置したハイサイトライトから室内に光を呼び込む。その光が白いクロスに反射しレフ板のような効果が生まれ、リビング全体を優しく灯す天然のライトとして演出した。
限られた空間に対し、家事動線などの機能性を持たせつつ、天井の高さや用途のフレキシブルさによって、シンプルながら伸びやかでゆとりのある建築家髙井氏らしい住まいとなった。
建築家プロフィール/髙井 和喜片流れの屋根とエッジの効いた斜めの袖壁がモダンな平屋。
シャープな印象の外観に対し、吹付仕上げを施し硬質過ぎないやわらかい風合いとした。
周辺を住宅に囲まれ南面と東面に道路がある立地に対し、道路に面した南面は最小サイズの小窓を配し、ウッドデッキのある東面はルーバーフェンスを配置して外からの視線に配慮した。
勾配天井のリビングは、その高さを生かしてロフトを設けることでフラットな平屋に動きをつけた。
また、冬季はハイサイドライトからの光が白壁に反射し、リビングの隅々まで光と暖を行き渡らせる。
スペースを広く使えるようL字型に配した壁付けキッチン。北面に設けた大きな開口が明るく景色を眺めながら作業ができる。下にゴミ箱を入れられる造作の作業台は可動も可能。空間をフレキシブルに有効に使える。
リビングからつながるロフトは場所を取らないはしご式とした。
程よい広さの籠り感があり、窓から外を眺めるとまるでツリーハウスのよう。子ども心を思い出させるワクワクする空間に。
キッチン → 洗面脱衣 → 浴室 → ウッドデッキと一直線な家事動線。ウッドデッキの入り口には室内干しができる家事室も設けているので、その日のお天気で外干し・中干しの切り替えもできる。
リビングと家事室につながり、回遊できる仕様。
将来間仕切りができるようにした。壁紙には汚れが落ちやすいクロスを採用。
リビングにつながるメイン玄関とキッチンに繋がる裏玄関との2way仕様。裏玄関には玄関収納を設けている。